2020年6月7日日曜日

学習環境

解析入門(中) (松坂和夫 数学入門シリーズ 5) (松坂 和夫(著)、岩波書店)の第11章(集合論初歩)、11.3(ツォルンの補題)、問題3の解答を求めてみる。



    1. X は無限集合なので、 可算な部分集合が存在する。その1つを B とおくと、

      card I × B = card = card B

      よって、 全単射

      f : I × B B

      が存在する。

      ゆえに F は空ではない。


    2. 反射律が成り立つ。

      B , g = B , g
      B , g , B ' , g '

      を F の任意の元とする。

      B , g B ' , g ' B , g B ' , g '

      ならば、

      B B ' B ' B

      なので、

      B = B '

      よって、

      g = g '

      ゆえに

      B , g = B ' , g '

      よって反対称律が成り立つ。

      B 1 , g 1 , B 2 , g 2 , B 3 , g 3

      そ F の任意の元とする。

      B 1 , g 1 B 2 , g 2 B 2 , g 2 B 3 , g 3

      ならば、

      B 1 B 3

      g 3

      g 1

      の拡大となっているので、

      B 1 , g 1 B 3 , g 3

      よって推移律が 成り立つ。

      ゆえに、 この関係は F 上の順序である。

      G を F の 任意の全順序部分集合とする。

      G の 全ての組の 集合についての和集合を C とし、に定義域とする全ての組の写像の拡大を g とすれば

      C , g

      は F の元で、 G の上界である。

      よって、 F は帰納的順序集合である。


    3. X \ A

      が無限集合と仮定する。

      このとき、 可算集合を含む。その1つを B とする。

      B X \ A card B =

      このとき、 全単射

      g : I × B B

      が存在する。

      写像 h を

      h : I × A B A B h x = { f x x I × A g x x I × B

      と すると

      A B = ϕ

      なので h は全単射である。

      よって h は F の元で

      A , f A B , h

      となり、(A, f) が F の極大限であるということと矛盾。

      よって、

      X \ A

      は有限集合である。


    4. X は無限集合で、

      X \ A

      が有限集合なので、

      card X = card A

      よって、 また、 (A, f) は F の 極大元、すなわちF の元なので、

      I × A A

      ゆえに

      I × X X

      である。

      (証明終)

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