2020年6月6日土曜日

学習環境

解析入門(中) (松坂和夫 数学入門シリーズ 5) (松坂 和夫(著)、岩波書店)の第11章(集合論初歩)、11.3(ツォルンの補題)、問題2の解答を求めてみる。


  1. 有限的な性質 C をもつX の部分集合全ての集合をA とする。

    B を A の任意の空でない全順序部分集合とする。

    B の和集合を D とする。

    b 1 , , b n

    を D の任意の有限部分集合とする。

    すると、

    b i B i B i = 1 , , n

    を満たす B の元が存在する。

    B は包含関係について全順序なので、 上記を満たすB の元で最大な集合が存在する。 それを

    B k

    とおく。

    このとき、

    b 1 , , b n B k

    また、

    B k

    は B の元なので、有限的な性質 C をもつX の部分集合である。 よって、 C を満たす。ゆえに、

    b 1 , , b n

    は C を満たす。

    よって、 D は C を満たす。

    したがって、 D は B の上界かつ A の元である。

    よって、 A は帰納的順序集合である。

    ゆえに、 ツォルンの補題により、 A、 すなわち C を満たす X の 部分集合のうちに包含順序の意味で極大なものが 存在する。

    (証明終)

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