2019年7月23日火曜日

読書環境

今日読んだ本、カガク力を強くする! (岩波ジュニア新書) (元村 有希子(著)、岩波書店)の感想。

本書のタイトルのカガク力を強くするについて、なぜ強くするかという理由は、生きていく上で知らないことでマイナスになることを避けるためという感じだった。なので、どちらかというと科学そのものの楽しさを伝えようという感じの本ではなかった。科学の楽しさをもっと知りたい、あるいはもともと科学が好きな上で、そしてその力を強くしたいという人は、それとは違った視点で本著を読むのが良さそう。逆に、科学に触れようとはしてるもののどうしても好きになれないという人は、好き嫌いに関わらず、最低限知っておいた方がいいことという視点で本著を読むのが良さそう。

全体的な内容としては、著者の小さい頃か今までの人生の中で、あるいは科学記者という商業の立場で見たり、聞いたり、調べたり、触れたりしてきた科学のことの日記という印象。それに加えて、その科学的なことに対して著者がどう感じたか、どういう意見を持ったか、あるいはどのようなことを人に伝えたいかということが書かれている感じ。

だから、客観的なことというよりは、客観的な科学のことを著者の主観的な視点で記述が多い感じ。なので、ある程度一定の距離を保って読むのが良さそう。あまりにのめり込んで読んでしまうと、あるいは人の意見に流されやすい人は、著者の意見にそのまま流されそうだし。しかもそうなってしまうと、著者がいう疑う力を身につけることとも逆な結果になってしまうし。

また、具体的な科学的なことについて、ある特定の科学の分野のいうことというよりは、色々雑多な内容があったり。なので、科学になかなか興味をもてない人でも、少なくとも一つくらいは興味があることを見つけられる可能性があるかも。なのでそういう人は、途中で読むのをやめることなく最初から最後まで大切。

具体的な内容として気になったことの一つとしては、

自分が知らないことを棚に上げて積極的に質問し
というところ。著者はこのことをいいことだという主張みたいだけど、状況、程度の問題でもあるけど、棚に上げるのはどうかなぁと思ったり。まず自分で本を読むなどして調べたり、適した状況で質問したりすることも大切なのではないかと。このことが、上記に書いた、ある程度一定距離を保って読んだ方がいいかなぁと思った理由の一つ。

気になったことの中のもう一つの具体例としては、

何よりも大切なのは、自分で情報を集め、自分の頭で考えて、自分で判断すること
ということ。これも分野や程度によるけど、その情報はどこから?を読んだときにも書いたことで、特に医療、医学に関しては、情報集めたりたり自分で判断するとかいう前に、病院にすぐ行くことの方がよっぽど重要なのではないかなぁと思ったり。病院に行くということも自分で判断したことの一つではあるから話がちょっとややこしいけど。

ちょっと距離を取りたくなった気になったことを具体的に二つあげたけど、上記に書いたように雑多な内容だったので興味深かったり面白かった科学的な内容のことも沢山あった。また、科学に携わる著者という一人の人間の考え方等を垣間見ることが出来たというのもよかった。

ということで、本著によりカガク力がないとどういうよくない場面があることを知ることが出来たし、それにもともと科学は好きな方だから、今後も科学の本を読んだり色々な科学的な体験を楽しんだり考えたりしていこうと思った今日この頃。

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