2020年6月2日火曜日

読書環境

今日読んだ本、生命はデジタルでできている 情報から見た新しい生命像 (ブルーバックス) (田口 善弘(著)、講談社)の感想。

計算機科学に興味があるからか、書名にデジタルに目が止まって本著を読んでみることに。ただ、書名の生命が心等も含む意味だったらあまり気が進まないなぁという気持ちも。心がデジタルだと、大袈裟に言えば心が機械と一緒といってるみたいでなんか冷たい感じがするから。仮に、心もデジタルだとしても、そうではないと思う、思いたいという気持ちがあるから。

実際に読み終えたら、心とは何か、心もデジタルで表すことができるといった話ではなくて一安心。あくまで生命を構成している物について、もうちょっと専門的、学術的にいうと分子生物学の分野等の話。ただ、全く関連する話がないというわけではなく、快感に関連するホルモン、ドーパミンの話やトラウマ、ストレス等についての記述がほんのわずかにあった。それでも心とは何かって話とは違うから、同様に不安がある人も気にせずに良さそう。

内容は、簡単か難しいかでいえば難しい内容だった。ただ、ところどころに例え話があったり、過去に読んだ本で得た知識があって既知に部分もあったりで、難しいながらも興味深く読めた。既知のこととしては、例えばゲノム革命がはじまる DNA全解析とクリスパーの衝撃を読んで知ったクリスパーの話とか。

人並みに生物の知識がないから難しいと感じただけかもしれないし、生物に詳しい人な、スラスラと読んで本著の面白い内容を理解できるのかも。また、生物学について全然興味がないという人も、最近のニュースで見聞きするような関連する用語、科学の話も多く出てくるから、そのことを思い出して、本著に出てくる例え話と関連付けながら想像して読むことで十分楽しめそう。

見聞きしたことのある用語の部分だけを読んでそのことについての話を得るだけでも十分満足できそうな一冊。実際に、ニュースとかで見聞きした用語、生物、医学等の話で、こんなことに役立つんだなぁと思っていたものについて、もう少し踏み込んだことを知ることができた満足できた。

他に興味深く読めた部分としては、今流行っている言葉、AI、具体的にいえば機械学習との関連について。現在よく話題になっているAI、機械学習が活用されている、されていくだろう分野についてパッと思いつくのは、多くの人の行動等を収集して何かに役立てたり、未来を予測するという分野だけど、あまりいい印象を持っていなかったから。その理由は、個人の行動や嗜好を取得して、実際に使ってるかどうかは別としても使おうと思えば監視にも使えるというところ。また、監視とは関係ない、医学の分野で画像認識で癌の発見をするというのをみたことがあって、こちらはいい印象を持っていたけど、その他にはあまり知らなかった中、本著の分野でもAI、機械学習が役に立つということを知ることができて良かった。

ということで、本著の内容全体も興味深かったし、また、生命をデジタル、情報という側面からみることで機械学習を活躍することが可能になった、発展することで機械学習を活用できるだろう、今まで知らなかった機械学習関連の分野を知ることができて良かった今日この頃。

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