2020年2月1日土曜日

読書環境

今日読んだ本、次のテクノロジーで世界はどう変わるのか! (講談社現代新書) (山本 康正(著)、講談社)の感想。

世界はどう変わるのかはそんなに特別な興味はなかったけど、次のテクノロジー、現状の最新のテクノロジーについて知ることができればいいかなと思って本著を読んでみることに。世界がどう変わるかについては、いずれ来ることだから。あるいは元も子もないけどどう変わるかはあくまで予想で、実際には誰にもわからないだろうし。それに比べて、最新のテクノロジーについては実際に存在することだから。

著者が予測する、想像する世界の変化については、そうなるかどうかは置いておいて、実際にそうなったとしたら、前向きな気持ちと後ろ向きな気持ちが半々くらいだった印象。新しい技術によって生活が変わることは、ワクワクするものだし、実際に本著に記述されている内容もワクワクするようなことが多かったから。残りの半分は、記述はあったものの、プライバシーについて、あまりにも緩いような、少なくとも著者の考え方が緩いように感じたから。その良し悪しがどうかは実際にそうなってみないと分からないけど。

具体的には、あくまでも著者は個人的な主観として前置きしてはいるものの、

倫理はもちろん大事だが、後で考えればいいこともある。それより追いつけなくなったときの方が致命傷になる。
といったこととか。逆に倫理をあとで考えていては、取り返しのつかない致命傷が残ることがあったりしないのかなぁなんて思ったり。 ファーウェイと米中5G戦争を読んだときの
この地球上からプライバシーという言葉は死語になる
というのが頭の隅に残ってるから特にそう感じるのかも。

他に半分後ろ向きな感情になった具体的な部分としては、

‥顧客の信頼は得られない。…顧客を熟知し、…決定的に重要になる。
というところとか。顧客を熟知という部分が、どうしてもプライバシーを見えない形で収集してというふうに思ってしまうから。考えすぎではあるかもしれないし、考えすぎでは無いとしても、実際にそのような世界になってしまったら仕方ないけど。

その他の内容として、世界がどう変わるのかということと直接は関係ない部分、どう変わるかを考える上で、これまでどう変わってきたかという話の箇所が面白かった。目に見えたりする部分だったら、携帯電話、スマートフォン、あるいはインターネットなどの歴史、技術的な進歩、あるいは関わってきた企業などの話や、直接は見えない半導体などの歴史の話など。

読む上での注意点としては、著者が、ものすごく前向きなひとな印象を受けたこと。ひねくれた言い方をすれば、ちょっと押し付けがましく感じるということ。これは私自身の性格の問題かもしれないけど。読む前そういう本だと頭の片隅においておけば、スラスラと読み進めることができるかも。

具体的に引っかかったことの一つとして、FeliCaの話について。

日本の通勤ラッシュはひどいので、短い反応時間によって混雑が緩和されるという効果は確かにある。しかし、…海外では受け入れられない…
という部分。確かにあるではなく、従来通りの速度で性格に捌き切れなかったら、大混雑が起こるかもしれないし、交通が麻痺して大混乱が起きるというのをなんとしても避ける必要があるから、それこそが、海外で受け入れられることより、世界標準になることより、遥かに重要なことだったのではないのかなぁと思ったり。テクノロジーを突き詰められたから、それをフルに発揮したといった次元と全然違う話じゃないかなぁと。

ということで、本著によって、世界はどう変わるのかという著者の予測、想像を通して、ニュース等で見たり聞いたりする最新のテクノロジー、その用語や内容等について、整理された形で、また、ニュース等よりもう少しだけ掘り下げた感じで、かといって深入りしすぎず、さっと知ることが出来て良かった今日この頃。

0 コメント:

コメントを投稿