2020年2月29日土曜日

読書環境

今日読んだ本、数の世界 自然数から実数、複素数、そして四元数へ (ブルーバックス) (松岡 学(著)、講談社)の感想。

面白そうだなぁと思って目に止まったものの、同じブルーバックスの数の概念を読んだし、似たような内容かもしれないと思って読むかどうか迷ったものの、結局入手して読むことに。もし似たないような内容だったとしても、それはそれでいい復習になればいいかなぁと期待。

実際に読んでみると、数の概念とは全然違う内容で良かった。まずはっきりとした違いとしては、数の概念では自然数、整数、有理数、実数までの話だけど、本著はさらに複素数、四元数、八元数、さらにその先までの数の話だということ。書名には自然数から実数、複素数、そして四元数へとなっていて整数、有理数が抜けているけど、整数と有理数の話もあった。

そして、扱っている数だけではなく、内容、趣旨も全然違った。数の概念は自然数、整数、有理数、実数を公理的に組み立てていくという感じで、その構造を解説している感じだったけど、本著はそうではなく、それぞれの数の性質、拡張していく過程、面白さ、便利さについての話だった。数の概念は抽象的な話、本著は具体的な話といった感じ。

自然数から実数までについて、公理とか論理的なこと、基礎的なことに興味関心がある人にとっては数の概念はすっきりとしていて説明も短く完結、厳密で面白いかもしれないけど、そうではない人は本著を読んでから数の概念を読むと両方楽しむことができそう。数の概念で解説されていることについて、ではなぜそのように構成するのかということを本著が教えてくれる感じな内容。

実数の先の複素数、四元数、八元数などについては、複素数までは馴染みのある人も多いかもしれないし、もしそうならそんなに難しく感じないかもしれないけど、四元数以降はちょっと難しい内容かも。それでも、複素数も含めてそのような数が誕生、発見された理由や、その数の性質の面白さ、便利さを具体的に解説してくれるから、十分に楽しめそう。また、その数を理解できたり使いこなせるようになれればもちろんいいけど、もし難しくて理解できなくても、そのような数の存在を知ること、その数のおかげでどのようなことが便利になったり、簡単になったり、実際にどのようなことに役立っているかを知るだけでもその有り難さが実感できるから良さそう。

ということで、本著により数を拡張していくことの面白さ、そしてそれぞれの数の面白さ、便利さを知ったり再確認できて良かった今日この頃。

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