2019年10月22日火曜日

読書環境

今日読んだ本、数の概念 (ブルーバックス) (高木 貞治(著)、講談社)の感想。

色々な微積分、解析学のの入門書で引用、参考書として見かける解析概論の著者、 高木貞治さんの本の復刊、しかも新書でお手頃価格での復刊ということで読んでみることに。 もちろん解析概論以外にも高木貞治さんの著作は多数あり。

文章はとても堅い感じで、概要、定義、公理、定理、証明と続いていき、淡々と厳密で詳細な解説が続いていく感じ。タイトルにあるについて、 その範囲は整数、自然数、有理数、実数といった順番で構成していく内容で、複素数までは含まれてはいなかった。複素数から先の数は、実数の組として考えられる数だから、 いくつかの公理から数を構成していく、導いていくという観点、基礎、基盤という意味で実数までで十分みたい。

内容について、淡々と進んでいく感じで、論理的に明瞭に進んでいく感じ。 決して簡単というわけではないものの、明瞭だから一歩一歩地道に進めていけば、十分理解できるような一冊。

具体的な内容について、数の構成方法はいくつかあるけど、ところどころ今まで見た事がない、知らないような構成方法があったりして楽しめた。 注意点としては、本著が1949年出版の本で、半世紀以上前の本だからか、数学の記号や用語等について、今とは違う、 少なくとも私自身が読んだことのある同じ分野の本での記号や用語と違う使い方をしてる部分がところどころにあったこと。 数について公理的に考えるのが初めての人は問題ないだろうけど、そうではない人は誤解、混乱しないようにちょっと注意する必要がありそう。

数についてより基本的なこと、普段特に深く考えずに行っている足し算、引き算、掛け算、割り算等、その本質を知りたい人に最適な一冊。 また、数が主な目的ではなくても、論理的に明瞭に話が進んでいくから、公理体系というのを学習したり慣れたりするのに数を題材にするという目的にも良さそう。

数について知りたい、学びたいけど、楽しく、気さくな感じの文章、本で学びたいという人は、他の本を探したほうがいいかも。そして、楽しみながら理解した後に本著を読めば、 文章は堅い感じであっても、その数学的な内容の楽しさを感じ取れるようになったり、理解が深まったりするかも。

他に注意点としては、数の概念の話の部分ではなく、秋山仁さんによる数の概念の解説 の部分の割合、ページ数が結構多いということ。その解説はというと、高木貞治さんについて、その生い立ちだったり、経歴だったり、人間性だったり、また関わりがある人たちやその学問、また日本の当時の学問、研究の話だったり。 それはそれで面白い話ではあるものの、数の概念の復刊を楽しみにしてた人にとっては不必要な部分に感じたりすることもあったりするのかも。

あと、実際に読むとしてもちょっと気になるところがあったりもしたから、おおらかな心で読むのが良さそう。具体的なことの一つとしては、

先生一流のユーモア… 「…微分のことは微分でせよと」
という箇所。これを秋山仁さんと同様に一流のユーモアととるか、面白い駄洒落、普通の駄洒落、あるいはつまらない駄洒落と感じるかは人によってだいぶ変わってきそうだし。

ということで、本著のおかげで普段はあまり気にせず使用している、数についての基本的なこと、性質、演算について、明瞭で論理的な解説でその公理的体系を再認識、復習できてよかったし、 また、これまでに見た事がない構築方法も知る事ができて良かったし、普段学んでいる数学の土台がしっかりしていることを確認できて良かった今日この頃。

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