2019年6月6日木曜日

ベーシック圏論 普遍性からの速習コース (Tom Leinster(著)、斎藤 恭司(監修)、土岡 俊介(翻訳)、丸善出版)の序論、演習問題0.14-(a)の解答を求めてみる。



    1. 問題の定義より、 線型写像を

      p 1 : P X p 2 : P Y f 1 : V Z f 2 : V W

      とおく。

      図式を書いてみる。

      よって、 錐

      P , p 1 , p 2

      で、任意の錐

      V , f 1 , f 2

      について、線型写像

      f : V P

      であって、

      p 1 f = f 1 p 2 f = f 2

      なるものがただ一つ存在するのは、

      P = X × Y , f v = f 1 v , f 2 v p 1 : X × Y X p 1 x , y = x p 2 : X × Y Y p 2 x , y = y

      である。(それぞれ直積、射影。)

      線型写像であることの確認。

      p 1 x 1 , y 1 + x 2 , y 2 = p 1 x 1 + x 2 , y 1 + y 2 = x 1 + x 2 = p 1 x 1 , y 2 + p 2 x 2 , y 2 p 1 c x , y p 1 c x , c y = c x = c p 1 x , y

      よって線型写像である。

      y についての射影も同様。

      追記。

      ということで、唯一であることをしっかりと確認してみた。

      f の 一意性について。

      f、 g と上記を満たす V から直積

      X × Y

      への写像とする。

      f : V X × Y g : V X × Y

      v を V の任意の元とする。

      また、

      f 1 v = x 0 f 2 v = y 0

      とおく。

      これについて、

      p 1 x , y = x 0 p 2 x , y = y 0

      と共に満たす 直積

      X × Y

      の唯一のx元は

      x 0 , y 0

      また、仮定

      p 1 f = f 1

      より、

      p 1 f v = f 1 v p 2 f v = f 2 v p 1 f v = x 0 p 2 f v = y 0 f v = x 0 , y 0

      同様に、

      g v = x 0 , y 0

      よって、

      f = g

      ゆえに、仮定を満たす写像はただ一つ存在する。(一意性、普遍性)

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