2012年9月14日金曜日

今日読んだ本と感想。

内容紹介

北朝鮮にとって中国は、食糧・エネルギー・貿易・技術・安全保障すべてにおいて国家存続の生命線。中国にとって北朝鮮は、地政学上重要な緩衝地帯であり、豊富な地下資源など、“埋蔵利権”の宝庫である。一心同体に見える両国だが、実際は恐れ、警戒し合っている。その熾烈な駆け引きの背景にある互いの思惑を、緊張と協力の歴史とともに分析。さらに、核開発やミサイル問題、日本最大の懸案である拉致被害者の帰国問題、北朝鮮混乱・崩壊時の米中の予測まで。極東アジアの今後を左右する中朝関係の行方を探る。

目次

第1章 最高指導者の死報
第2章 三代世襲と権力構造―後継者を支える幹部と中国の関係
第3章 北朝鮮の外交―生き残るための戦術
第4章 食糧とエネルギー―中朝経済の歴史
第5章 強盛大国構想と中国型資本主義―北朝鮮経済の未来
第6章 油断ならない隣人―利用価値と安全保障
終章 正恩体制と日本外交

本書の本題とは直接関係ないかもしれないけど、興味を惹かれたことが2つあった。

まず1つ目は、アメリカは常に軍事力をどう使うか、空爆するかしないかという判断を行っている国だということを再認識。常にその判断を下さなければならない立場、あるいはそれに近い立場の人は大変だろうなあと思った。

そしてもう1つ、もっと興味深かったのが、北朝鮮が、最大の経済危機をなんとか生き延びられたのは、民衆が生きのこるために作り上げてきた「市場」の力だったということ。日本みたいに元々、基本的には自由経済、市場経済の国にいると忘れがちだけど、みんな(もちろん自分自身も含む)の力による市場経済、自由経済はとても大切だということを再認識。特に、所得格差や福祉などの問題を議論する時、市場経済、自由経済が批判されがちだったり、また、不景気になれば政府の経済政策とか、日銀の金融政策が議論されたり、批判されたりしがちだけど、そういうどん底のときこそ、それ作り上げる民衆、市場が力を発揮するときだということを忘れないようにしようと思った。

ということで、北朝鮮と中国について、あるいはその関係について知ることができたのはもちろんのこと、それ以外にも再認識できたことがあったので本書を読んでよかったなあと思った今日この頃。

0 コメント:

コメントを投稿