2012年8月25日土曜日

今日読んだ本と感想。

内容紹介

質量の起源をたどると素粒子物理の全貌が見える

質量ゼロだったはずの素粒子はどうやって質量をもつことになったのか。
素粒子の質量を作りだすといわれるヒッグス粒子。それが見つかれば、物質の質量の2パーセントは理解される。では残り98パーセントはどこからくるのか?そもそもヒッグス粒子とは何なのか?その鍵は真空にある。素粒子物理最大の謎に迫る。

2009年、スイスのCERNで人類史上最大の加速器LHCが動き出した。そこでは質量が生まれる仕組みの鍵を握るヒッグス粒子の発見が期待される。しかし、それが見つかれば質量の起源の問題はすべて解決されるのか?
質量が生まれる仕組みの理解には、特殊相対性理論や量子力学はもちろん、自発的対称性の破れなど現在の素粒子理論にあらわれる基本的な考え方が総動員される。

目次

第1章 すべては理解できるものか――元をたどってみる
第2章 質量とは何か――押しても引いても動かない
第3章 ゼロと有限の境目――光のように速く飛んでみる
第4章 自転する素粒子
第5章 右と左が違うのは――見えざる弱い力
第6章 沈むときは2人で――真空に沈殿する素粒子
第7章 陽子に針を突きさす――クォークの登場
第8章 真空の雑踏――何でもありの量子論
第9章 あるんだったら出してみろ――ヒッグス粒子と巨大加速器

いろいろな発見についての解説の中で、その発見を誰がしたのかが豊富に書かれていて、登場人物が多く、沢山の著名な物理学者等の名前を知ることが出来て面白かった。

解説については、私の物理学、量子論の知識と教養不足もあってか、難しいと感じることも多かったけど、解説に出てくる図がいかにも手書きという図で、なんだか親しみを感じながら読むことが出来た。

そして、何よりも驚いたことは、少し前発見されたかもと話題になったヒッグス粒子について、それが本当に発見されたからといって、それが大きな一歩であるからといって、それで全てが分かる訳ではないということ。ニュースになった時には質量の起源が分かるとか、神の粒子とか言われていたので少し誤解してた。

ということで、本書のおかげで誤解していたことに気づくこと、知ることが出来たのもそうだし、人間の果てしない探究心を知り、あらためて人間は凄いなあと思ったり、地道な一歩一歩の前進が大切だなあと感じた今日この頃。

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