2012年7月17日火曜日

今日読んだ本と感想。

内容紹介

「ヒロシマ」から世界の核被災地の人々へ、
祈りと励ましを込めた残留放射能測定レポート!

「70年は草木も生えない」と言われた原爆被爆地・広島、長崎は、みごとに復活した。では、20世紀後半、冷戦下の核兵器開発競争のために延べ2400回以上の核爆発実験が行われた実験場など、世界各地の核災害地周辺の核汚染と住民の放射線被曝はどれほどのものだったのだろうか?そして、その現状は?
緊急時に「あなたにできる放射線防護10の対処法」付

著書は、広島大学原爆放射能医学研究所の研究者である。米国の水爆実験の舞台となった南太平洋の島々から旧ソ連の核兵器実験場カザフスタンや、シベリアの核爆発地点周辺、原爆用プルトニウム製造所からの廃棄物汚染などのあった南ウラル、世界を震撼させた原子力発電所事故のチェルノブイリ、さらには臨界事故の東海村まで、自ら測定してまわった迫真の報告書。

目次

●第1部 核災害の概要
第1章 核爆発とその影響
第2章 放射線被曝の基礎知識
第3章 世界の核兵器実験とその影響
第4章 原子力発電と核燃料サイクル
●第2部 調査の現場から
第1章 マヤーク・プルトニウム製造企業体周辺での核災害
第2章 旧ソ連邦での核兵器実験による周辺住民の被曝
第3章 南太平洋における米国の水爆実験
第4章 シベリアにおける核爆発の産業利用
第5章 チェルノブイリ事故
第6章 東海村臨界事故
第7章 放射線被曝地の回復
特別章 家族のための放射線防護

東日本大震災による、福島の原子力発電所の事故により漠然とした恐怖、不安を感じた方は多いと思う。そんな方に最適な1冊。本書は復刊版でその福島の原子力発電事故にについてもチェルノブイリの原子力発電事故との比較等が加筆されてたりするので。正しい知識を得ることによって、危険なことが安全なことに変わる訳ではないけど、少なくとも安全なことを危険と勘違いすることによる恐怖、あるいはただただ漠然とした不安等は解消され、冷静になることができたり、精神的に安定することが出来ると思う。

あと、最後に特別章として家族のための放射線防護という章で実践できることが具体的に詳しく書かれているので、福島の原子力発電所の事故の時に思い込みによる、あるいはただの噂、または誤った情報による間違った対処方法を実践してしまった方にもとてもためになる1冊。もちろん間違った対処方法をしてなくても、何をしたらいいのか分からなくてただおろおろしていた人にも。

他には、著者自ら測定した渾身のレポートということで、事故とは関係なく科学的好奇心、知識と教養を得るための1冊としても十分楽しめるし面白い1冊。

ということで、原子力発電所の事故だけに限らず、知らぬ派仏もいいけど、起こってしまったこと、知ってしまったことには、ただただ恐怖と不安を感じているだけではなく正しい知識を身につけて冷静に対処することが大切だなあとあらためて感じた今日この頃。

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