2020年4月11日土曜日

読書環境

今日読んだ本、〈いのち〉とがん: 患者となって考えたこと (岩波新書) (坂井 律子(著)、岩波書店)の感想。

書名にがんというのに目が止まって本著を読んでみることに。というのも、最近、新型コロナウイルスの話題のニュース等を見聞きする機会が多くて、新型コロナウイルスにできれば感染しなければいいなぁとか、かかっても無症状、軽症で済めばいいなぁとか、重症になったらやだなぁとか考えがちで、自分がかかるかもしれないと考える病気がそればかりに偏りがちかもと思ったから。何も病気になる原因は新型コロナウイルスだけではないし、悪くて重症化、そして死に至るのも新型コロナウイルス関連以外にも沢山あるだろうからバランスを取るために。

といっても、新型コロナウイルスにかかってもいいやと思うわけではなく、出来ることはちゃんと継続。流行中は手洗いとかうがいとか、人混みを避けるとか、重症化しやすい可能性が高いだろう人、持病持ちの人とかは見た目では分からないけど、見た目である程度わかる老人とか赤ちゃんとかと触れ合う時は気を付けるなど。ただ、こうして考えてみると、新型コロナウイルスに感染して発症する症状とかはインフルエンザと違うのかもしれないけど、やることはインフルエンザの流行時と大して変わらないかも。

本著の内容について。著者の癌の闘病日記、体験記、そしてそれに関わる治療法だったり治療薬だったり、社会の環境等の解説といった感じだった。

がんの闘病日記、体験記の本というと読んでてちょっと辛くなったりすることもあったりする印象だけど、本著はそんな感じでもなかった。もちろん著者の不安や前向きになったり病気に立ち向かったりという話は、読んでるこちらも感情移入したりして辛くなったり頑張ろうと思ったりすることはあったけど。

そんな感じでもなかった理由は、著者の文章の表現のおかげかも。具体的なものの一つとしては、

聞かされる術後後遺症の話は、私たちをビビらせるに十分だった。
という部分。ビビらせるではなく恐怖を感じるとかだったら、途中でだんだん読みたくなくなってきたかも。もちろんビビらせるというので十分怖い様は伝わってきたけど、率直な感想の印象を受けたり、また、身近な感覚に感じられた。もちろん自分自身が実際にそういう立場になったら、ビビらせるという言葉から受ける印象以上に恐怖を感じたり、逆に何も感じなかったりするのかもしれないけど。他にもそういう部分が多く、身近にあることと感じながら読み進めることができた。

また、治療法や治療薬等、ちょっと専門的な内容についての解説も分かりやすかった。これは、著者がNHKの人で、テレビなどである程度万人向けに理解しやすい内容を制作しなければならない立場の人だからのおかげかも。

ということで、本著により癌について、必要以上に恐れることなく、また身近にあるものとして色々知ることができて良かったし、他にも最初に書いたように新型コロナウイルスに感染することに意識が偏ってたのが、それ以外についても知ってバランスを取り戻せた気がして良かった今日この頃。

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