2020年2月16日日曜日

読書環境

今日読んだ本、数学と文化 (ちくま学芸文庫) (赤 攝也(著)、筑摩書房)の感想。

数学と関連する話について、数学と哲学、あるいは数学と自然科学といったような本は読んだことがあるけど、数学と文化といったような本はあまり、あるいは全く読んだことがないような気がしたから、せっかくだから本著を読んでみることに。もちろん、好きな数学の本ということも読んでみることにした理由の一つ。

最初にいきなり民主主義、議論などの話が出てきて、かなり文化等の数学以外の話が多いのかと思ってあまり乗り気にならなかった。ただ読み進めていくと、それが重要な話の一つではあるけど、全体がそのような話ばかりではなく一安心。他の様々な話もあったから、一安心以上だったかも。

内容は、とにかく幅広い話があるというった印象。もう少し具体的には、数学の色々な分野の話、さらに各分野から枝分かれした分野の話、各分野同士が関連し合う話など。それも数、自然数とは何かといった話から、現代数学、現在盛んな分野の話まで。

また、各分野の話についても、数学的な話のみではなく、どうしてその分野が発展したか、どのような人達、あるいは集団がその分野を発展させてきたか等の話も。その歴史、時系列や、人物同士、分野同士、影響を受けた、与えた、お互いに影響しあった話なども。

他にも分野に限らず、数学に対する取り組み方、数学の捉え方、考え方のようなものがどうのように変化してきたのかという話も。そして、その変化に大きな影響を与えた人物、書物などの記述もあった。

途中まで、書名の文化についてあまりピンとこなかったかけど、数学と社会との関係、情報化社会、コンピューターについてなどの話があって、その辺りで数学と文化の関係について、なんとなくだけど感じとることができた。最初の方の数についての話で、各国や地域、言語による違い、考え方の話もあって、そこも数学と文化の関係ではあるのかとも思ったけど、歴史に詳しいわけではないからから、いまいちピントはきてなかったから、終わりの方で数学と文化について読み取れて良かったしほっとした。もしかしたら特に歴史に詳しくなくても、人並みに歴史について知っていれば、その部分でも数学と文化についてピンとくるのかも。

注意点としては、書名に文化とあるから定理や定義、証明などがない、数学の読み物だと考えて読んでしまうと、実際はそうではないという点。ただ、そんなに難しかったり、技巧的な証明だったり、あるいは各分野の詳細までには踏み込まず、そのさきは参考文献でって印象だったから、前もって心に止めておけば、そんなに気にする必要もなさそう。それでも難しいと感じる部分は読み飛ばしても良さそうでもあるし。とにかく様々な数学の分野、あるいはそれ以外にも様々な数学、文化に関連する話があるから、他の部分で十分に楽しむことができそう。

また、上記に現在盛んな分野と書いたけど、本著は30年くらい前の本を文庫化した本だから、正確には現在とちょっと違うかも。ただ、過去から現在の流れについては、長い歴史を考えればそんなに変化はないかも。

ということで、数学と文化の関係について少しかもしれないけど感じとることができて良かったし、また、数学の様々な分野について幅広く知ることができて面白かったし、最後に各分野についての参考文献が丁寧に紹介されていたから、気になった分野の本をそこから選んで入手して、よりその興味を持った分野を楽しめたり、理解を深めることができればいいなぁと思った今日この頃。

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