2020年1月5日日曜日

読書環境

今日読んだ本、誰も知らないレオナルド・ダ・ヴィンチ (NHK出版新書) (斎藤 泰弘(著)、NHK出版)の感想。

レオナルド・ダ・ヴィンチについて、人並み、あるいは人並みとはいかないかもしれないけどある程度知ってるものの、実際にレオナルド・ダ・ヴィンチについての本はあまり読んだことがない気がしたから本著を読んでみることに。他に、誰も知らないの知らないってなんのことなのかも少し気になったことも本著を選択してみた理由の一つ。

本著を読み終えて、誰も知らないかどうかは分からないけど、少なくとも私自身は知らなかったことを知ることができて良かった。これまでレオナルド・ダ・ヴィンチについて知っていたことは、科学や工学の分野だとその研究成果、実際に作ったもの、あるいは設計図や構想などがその後の未来に実現したものだったり、芸術などの分野ではその絵画など。本著により知ることができたのは、その周辺のこと。

特に科学や工学の分野については、その研究結果や作ったものが出来るまでの、それを作ろうと思った動機や、結果までの失敗なども含めた試行錯誤の過程など。さらに、成功や失敗などからくる感情、もっと言えば欲望みたいなものも知ることが出来て、興味深かった。今まではかなり前の歴史上の人ということもあるし、万能の天才ってイメージで、何か人間味のあるイメージはないわけではなかったけど、そんなにイメージの中になかったから。天才であることには変わりないだろうけど、同じ人間なんだということを強く感じることが出来て何か親近感のようなものが沸いて面白かった。

弱点や欠点についての記述があったのも良かったし、それも親近感みたいなものをもてた理由の一つかも。研究成果や作ったものなどの結果ばかりをみていると見えてこなさそうなことだし。

人間味という話以外にも、有名ではない、あるいはレオナルド・ダ・ヴィンチに詳しい人、あるいは芸術、美術が好きな人にとっては有名な作品なのかもしれないけど、例えば「モナリザ」、あるいは本著の表紙にもなっている「ウィトルウィウス的人体図」みたいにものすごく有名ではない色々な絵画などの作品をカラーで知ることが出来たのも良かった。かなり多くの作品が掲載されている印象。

また、レオナルド・ダ・ヴィンチについてだけではなく、レオナルド・ダ・ヴィンチが生きていた時代、国々、文化、もっと気軽な言葉だと流行りみたいなものの話も面白かった。本著は壮年と晩年が中心だから長い歴史からすれば短い期間かもしれないけど、レオナルド・ダ・ヴィンチと関連しながら話が進んでいくからか、楽しく読み進めることが出来た。

ということで、本著により、レオナルド・ダ・ヴィンチの成果や凄さを知ることが出来たのはもちろんだけど、その人間味、親近感みたいなものを味わうことが出来て良かった今日この頃。

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