読書環境
今日読んだ本、時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」 (ブルーバックス) (吉田 伸夫(著)、講談社)の感想。
時間という、日常生活では当たり前に利用してるものがテーマの話で面白そうだから本著を読んでみることに。あと、いくつか時間についての物理学関連の本を読んだことはあったけど、最新物理学が解くとあって何か面白い、興味深い発見があったりしたのかなぁ時になったのも本著を読んでみることにした理由の一つ。
内容は、これまで読んだことがある時間に関連した物理学の一般書と重なる部分も多くて、そのおかげか、難しいと感じつつも読みやすかった。具体的な話としては、物理学の各分野、ニュートン力学、相対性原理、電磁気学、量子論などの解説、またそれぞれの分野から考える時間についての話。そして、その歴史、考え方の発見、変化などの話。
最後の方は、今まで読んだ類似の本にはないような内容、たまたまそういう本に出会ってないだけかもしれないけど、もあって面白かった。皮膚、感覚、神経、脳、視覚、触覚と時間との関係などの話。
途中、元々興味があって好みな数学のフラクタルの話や、幾何学の話が多く出てくる箇所があり、その部分は特に楽しく読めた。物理と数学は密接に関係してたり、影響を与え合ったりしてるから、数学の話も出てくるのは当然と言えば当然のことかも。
本著のテーマ、内容とは直接は関係ないけど、文章は堅め、真面目な感じで気さくな感じではなかった。それでも気さくな文章を読んでるような読みやすさがあって不思議な感覚だった。内容が面白いからか、自分自身の知識、興味等とちょうど内容が一致していたからか、理由はよく分からないままだけど、難しいと思えるような内容を楽しくスラスラと読むことが出来て良かった。
具体的な内容として気になったのは、親殺しのパラドックス
という話。想像しやすい例としての話ではあるけど、なんか物騒な話だから、もうちょっと楽しく想像できるような例だったら良かったのになぁと思った。これは著者が考えた例ではないから仕方がないことだけど。
内容の難度を考えると、ある程度の予備知識があった方が読みやすそう。ただ、特に難しい話、深い話については、もう少し深く知りたい人のためにという箇所で付録みたいに別に解説があるから、物理が苦手という人でも、その部分を読み飛ばしていけば、楽しく読めるかも。
ということで、日常では深く意識することなく当たり前のこととして利用している時間だけど、それを物理学の観点からより厳密に正確に理解しょう、捉えようとすると、不思議なこと、当たり前ではないこと、より深いことが潜んでいて面白かったし、さらに、最新の話(大雑把に2000年以降くらい)の話まで知ることが出来たり、時間を考えることをきっかけに、物理学の関連するいろいろな分野を再確認するきっかけになって良かった今日この頃。
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