2020年1月18日土曜日

読書環境

今日読んだ本、少子化する世界 (日経プレミアシリーズ) (村上 芽(著)、日本経済新聞出版社)の感想。

少子化って言葉はそんなに気にならないけど、少子化対策、特にどのようにして子供を増やすかって話はあまり好きではないから、本著を見つけたとき、そんなに読みたい書名ではなかったけど、少子化する世界という部分がちょっと気になったから読んでみることに。また、必ずしも子供を増やすって話だけではないのかとも思ったから。

上記で記述した、その意味での少子化対策があまり好きではない理由は、子供を産んだり、もったりするのはあくまで個人だったり、夫婦、家族とかの問題で、そこの国や政府、行政が介入するのはなんか違和感があるから。

本著を読み進めていくと、最初の方にいきなりその違和感があることに突き当たった。

あまりにも人口減少の進むスピードが速すぎると、国としての体制(…)がそれに追いつかなくなる可能性が高まる。…「対策を取って仕組みを変える時間が稼いだほうがよい」…出生率を少しでも上げることが、減少スピードを遅らせる方策として必要になってくる。
という箇所。どれだけ進むスピードが速いとしても、それでも追いつく方法を考える、例え追いつかないとしても、国としての体制のために介入するのはちょっと抵抗を感じたりも。

ただ、それでも本著を読んで良かったなぁと思えることが多かった。まず、少子化とは関係なく、世界、各地のの人口推計を知ることが出来たから。かなり長い期間ではあったものの、大きく変動する様子が興味深かった。

また、世界各国で少子化が進んでいる国でのいろいろな対策について知ることが出来たから。そして、その対策について、少子化と関係なく必要な制度だと感じたから。

具体的には、女性の出産後の仕事復帰のための政策、男女の育児についての話、幼稚園や保育園についての話、教育の質、あり方などの話、また不妊治療など、様々な話。このことは、社会が少子化であっても、多子化って言葉はあまり聞いたことないけど、子供が増え続ける状況下でも、ある程度一定であっても重要なことだと思ったから。

最初に記述したような意味の少子化対策って言葉はあまり好きではないけど、少子化とは関係ないこれらの問題が解決されていく、より良くなっていくきっかけになるならそれはそれでいいことなのかなと思えた。もちろん、仮に少子化ではなくなってもそれらの精度などが続いていくならだけど。

他に本著を読んで良かったと思えたのは、最後に少子化する世界でどう生きるかという章があったから。望んだ人が子供を産める、子供をもてる、それをためらうような環境が改善した上で、それでも少子化が進むならそれはそれで仕方がないことだから、それを前提にした前向きな話があって良かった。

ということで、望む人が望んだようにできるような、いろいろな障壁が無くなっていったり、少子化ではなくなっても、少子化であっても、より良い社会になっていけばいいなぁと思った今日この頃。

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