2020年1月12日日曜日

読書環境

今日読んだ本、すごい物理学講義 (河出文庫) (カルロ・ロヴェッリ(著)、竹内薫(翻訳)、栗原俊秀(翻訳)、河出書房新社)の感想。

書名にすごいとある本について、期待しすぎて読むと凄くなかったなぁとガッカリしてしまうことが多い気がするから、あまり期待せずに読み始めることに。実際読み終えると、確かに凄かった。おそらく期待してても良かったかも。

すごいというのはワクワクしながら読み続けられたということ。読み物としてとても面白かった。

内容は、大雑把に分けると歴史の話、かなり古代の話から、ニュートン力学の話など、そして20世紀の相対性理論と量子力学、それに続く量子重力理論、さらに最新の動向や考えられている概念など。割合的には相対性理論、量子力学、量子重力理論の辺りの話が多かった印象。

上記にワクワクしながらといったものの、最初の歴史の話についてはちょっと退屈だなぁと感じる部分もあった。ただ、それでも楽しく読み進められた理由は、

ラジオ、テレビ、電話、コンピューター、カーナビ、WiーFi、インターネットなど、こんにのありとあらゆる通信技術には、マクスウェルの予想が応用されている。
といった話など、日常と関連づけられた話があったから。身近でこんなことに役立っていると分かると、退屈な話もちょっとワクワクした。

また、本著と直接は関係ない話だけど、宇宙はなぜ哲学の問題になるのかを読んだときに出てきた話について、本著にも

「幾何学をしらざる者、入るべからず」
というふうな記述があったから。哲学にあまり興味が沸かなかったけど、ちょっとは哲学の本を読んだのも役に立ってきてるかもと思えて嬉しかった。

物理の内容については、必要最小限の公式は方程式のみで、そんなに沢山の数式が出てくるといった感じの内容ではなかった。その代わり、図による解説が多かった印象。このことと、最初に書いたように幅広い範囲の話があるにも関わらず、どの内容も濃い感じなのも面白かった理由の一つ。そして、幅広くて濃いにも関わらず、解説は丁寧で易しく、難解という印象もなかった。

その他に印象に残った、心に残った部分、言葉としては、

科学に備わる「考えうる最良の解を提供する能力」
というところ。あくまで正解ではないということ。科学研究に携わる人にとっては当たり前な言葉、考え方なのかもしれないけど、そうではない人にも広まってほしい言葉だと思った。特に、科学が絶対だと考えてる人に。特に本著は物理の話の本ではあるものの、専門家が読んでも面白いだろうけど、あくまで一般向けの本だから、特に印象的な言葉に感じたのかも。

ということで、本著により物理の起源、現在までの歴史、その詳細、さらに最新の話やこの先までのことを知ることが出来たし、今年の最初の月、1月から物理の面白い本に出会えて良かった今日この頃。

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