2019年11月3日日曜日

読書環境

今日読んだ本、近代建築そもそも講義 (新潮新書) (藤森 照信(著)、大和ハウス工業総合技術研究所 (著)、新潮社)の感想。

本著のタイトル、近代建築というのを見て、新国立競技場の当初の案だった、いかにも現代的、あるいは前衛的な建物って感じの完成図のCGをふと思い出して、そのことについて何か書いてあるかとか気になったから本著を読んでみることに。読み終えたら、新国立競技場の変更になる前の建物の話は全然なかった。

なので、目的は達成できなかったけど、ただ、だからと言って面白くはないということはなかった。近代建築と聞いて、その外観や内装、あるいはデザインといった見た目のことばかり想像してしまっていたけど、それだけの話ではなかったから。

 本著で登場する時代、期間はおおよそ江戸の終わり、幕末あたりから現在までといった感じ。見た目の話については、明治以降、海外、特に西洋の建築を見たり調べたりして参考にしたり、それを持ち込んだり、あるいは既存の日本の建築技術と融合したりしていったという感じだった。

見た目の話も面白かったけど、それ以外の話が特に面白く感じた。主に本著の前半の箇所。

まず、建築の話で見た目についてではなく、見えにくい部分の話について。上下水道の発展の話。なぜ発展したのかとか。

また、何か特別な建築物の話ではなく、一般的な家の話について。豊かになっていくにつれて、あるいは豊かさを求めてどのように変わってきたのか、どのように海外、西洋の建築技術を取り入れていったのか、その中で元々あった日本の建築のどのようなものが残って、あるいは進化しながら残っているのかという話とか。

他には、文化の衝突、融合、折り合いの話。海外は土足文化で、それが関係してスリッパがあるという話はなんとなく聞いたことあったけど、その詳細についての話を知ることができてよかった。そして、土足文化とそうではない日本の文化がどのように落ち着いていったのか、今現在もどのような名残があるかとかの話が面白かった。

ということで、本著を読むことにした目的とは全然関係なくなったものの、想像していた現代建築の見た目の話はもちろん、それ以上に想像してなかった見た目以外の近代建築についての話を知ることができてよかった今日この頃。

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