2019年11月16日土曜日

読書環境

今日読んだ本、道具としての微分方程式 偏微分編 式をつくり、解いて、「使える」ようになる (ブルーバックス) (斎藤 恭一(著)、武曽 宏幸(イラスト)、講談社)の感想。

道具としてのとあるからか、証明とかより、実際に使うこととかに特化した一冊だった。本著で特に特徴的だと感じたのは、登場する例が具体的、また数学書に良くあるような具体例といった感じではなく、より想像しやすい、日常生活にあるような場面や現象での例が多いこと。かなり単純にいえば、数学の例というよりは、算数の例、何個のみかんやりんごを何人で分けるみたいな。

想像しやすい例だから読み進めやすかった。また、想像するのが容易な例だけど、決して簡単な内容というわけではなく、数式も豊富に出てきて読み応えもある一冊。このことも、数式がほとんど出てこないような、本当にイメージだけの一般書とは一味違う感じだった。

文章は、上記に書いた登場する例からも分かる事かもしれないけど、数学の専門書であるような堅い文章ではなく、とても気さくな感じの文章。そのおかげからか、難しいと感じつつも読みやすいと感じる読んでて不思議な気分になるような一冊だった。

道具としてではなく、偏微分方程式の理論自体が面白いと感じている人でも実際に想像しながらならよりその理論の理解を深めることができるだろうし、逆に、偏微分方程式の理論の話ばかりで全然理解できない、出来なかったという人にも、まずは使ってみて慣れてから理論に取り組めば理解できる可能性も高まりそうなので、どちらの人にも最適な一冊。もちろん、理論はいいからとにかく偏微分方程式を使えるようになりたい、使えなくて困っているという人にも最適な一冊。本著をきっかけに、理論等の詳細やもっと数学らしい、あるいはその他の科学の分野、物理学等の例を知りたくなり、好奇心が刺激されるきっかけにもなるかも。

その他、偏微分やその概念と直接は関係ないけど、偏微分の話で登場するギリシャ文字や記号の読み方が本文中や付録に書いてあるのが有り難かった。今まで読み方を知らずに使っていたギリシャ文字や記号が多かったし、ギリシャ文字はまだ読み方は調べやすいけど、記号などの読み方はなかなか調べずらかったりするので。と言いつつ、調べやすいギリシャ文字の読み方も調べてなかったりしたから、ただの怠け者なだけかもしれないけど。

ということで、想像しやすい具体例で偏微分方程式についての理解が今までよりは深まって良かったし、また、まだ本著を読んだだけで実際に自分自身で手を動かして鉛筆と紙で微分方程式を作ったり解いたりしたわけではないから、これからの日常生活で何か偏微分方程式を作れそうなことを見つけて、実際に微分方程式を作ってみたりその解を求めてみようと思った今日この頃。

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