2019年8月31日土曜日

読書環境

今日読んだ本、ルポ 人は科学が苦手 アメリカ「科学不信」の現場から (光文社新書) (三井 誠(著)、光文社)の感想。

自分自身は科学のことが得意かどうかは分からないとしても、少なくとも科学の話は好きだし、苦手だと感じる分野はあっても、科学全般を苦手と思ったことはなかったり。だから、タイトルを見て気になって本著を読んでみることに。タイトルの人がみんなのことを指しているのか、科学が苦手だと思う人を指してるのか、あるいは他の意味なのか。

読み終えてみるとみんなという感じだった。科学が好きな人も好きではない人、あるいは科学そのものを信用してない人等も。

ただ、みんなが同じことを苦手という感じではなかった。科学を好きな人が科学を苦手というのは変だけど、そういうことではなく、その好きな科学のことを科学が好きではない、あるいは科学を信用していない人に伝えるのが上手くはないみたいな。

著者が取材したのはアメリカで、日本にそのまま当てはまるということはないだろうけど、参考になりそうなことや似たようなことも多かった。そして、自分自身にも当てはまるようなことも。

本著を読む前までは、科学的にとんでもないこと、全く新しい創造的な考えではなくなんの根拠もなさそうなことを言う人がたまにいたりするけど、そう言う人とはあまり科学の話をしないようにしたり、そのような話は聞き流したり聞かないようにして、それ以上のこと、なぜその人がそのように考えるかということはあまり深く考えたことなかったけど、本著でその理由を知る、考えるいいきっかけになった。

取材を進めるうちに著者自身の考え方が変わる瞬間がいくつもあり、自分自身の考えも著者の考えが変わる前の考えと似たようなことが多かった。なので、全てではないけど、自分自身の考え方も変わることが多かった。自分自身で本著のような取材をすることはないだろうから、本著を読んでよかったことの一つ。

読んでいる途中に気になったのは、科学的な話が通じない、あるいは科学への不信といった、人が科学が苦手な理由を様々な側面、要因、多くのデータや取材から教えてくれているものの、ではどうすればいいかという解決方法の記述がなかなか出てこなかったり、自分自身でも思い浮かばなかったということ。そんなことを思いながら読み進めていたら、最後にその解決方法、ヒントになりそうなこと、まだ上手くいっているとは言えないことも含めて色々な取り組み、実践が紹介されていた。特にこの箇所が面白かった。多くの科学者の人たちに読んで欲しいと思うような内容。

ということで、自分自身が科学が苦手であるということを自覚したり、また、科学的にとんでもないことをいう人や科学が苦手という人に対して、今まではそのことについてはただ距離を取るというだけだったけど、常にではないにしても、本著の最後に書いてあったことを参考に、その人がなぜそうなのか背景を考えたり、伝わるような伝え方を出来るようになれればいいなぁと思った今日この頃。

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