2019年6月19日水曜日

読書環境

今日読んだ本、僕らのAI論 9名の識者が語る人工知能と「こころ」 (サイエンス・アイ新書) (森川幸人・松原仁・一倉宏・伊藤毅志・鳥海不二夫・三宅陽一郎・糸井重里・近藤那央・山登敬之・中野信子(著)、SBクリエイティブ)の感想。

タイトルに僕のとあったから、色々な立場、考え方、職業、目的等での論を知ることが出来ることを期待して入手。特に、9名もいれば、その中に何か想像つかないような、考えたことのないようなことの記述があるだろうと思って。

実際に読み終えたら、期待してたことは得られなかった。いずれも面白い、興味深い論ではあったものの、今まで聞いたことがあったり読んだあったことがあったり、あるいは想像したことがあったりしたような論だったから。

ただ、期待通りではなかったものの、本著を読んだことはよかった。というのも、色々な立場や目的、職業の人についての今流行ってるものや今後のAIについての話をそれぞれ別々の本等で読んだことはあったけど、一冊まとめて読んだことはなかったから。

影響を受けやすい性格だから、ある一冊のAI関連の本を読んだらしばらくはその考え等に影響されがちだったけど、そうはならずに幅広いことを一冊で読み切ることにより、一つの立場等に偏らず、客観的にに色々なことを考えることが出来たから。なので流行りのAIについてほんのちょっとでも偏った考え方を持っているかもしれないと感じる人に最適な一冊。

また、AIについて特に興味も関心もない人にも本著を読めば、いずれかの人の論に共感出来たり興味を持ったり出来て、AIについて興味、関心を持つきっかけになりそうで良さそう。そうすれば、その共感を持った人の分野や目的、考え方の本をさらに読むきっかけにもなるかもしれないし。

内容について具体的に面白いなぁと感じた箇所は、東洋と西洋の考え方の比較について。難しい話ではないけど、言われてみればなるほどということがあった。

他に内容で気になったところは、本著の主旨とは関係なくなってしまうかもしれないけど、ゲーム、特に将棋とAIについて気になることがあったり。最適という言葉について。勝ち負けという意味では人間より将棋ソフトの方が強くなったのはおそらく間違いないことだろうけど、それが最適かどうかについて。将棋はそれがいつ見つけられるか、見つかるか、あるいは見つかる未来は来ないかは別として必ず先手が勝ちか後手が勝ちか引き分けか答えがある。もし将棋のプロ棋士の人たちの最終目標、究極の目標がその答えを見つけることだと仮定したら、将棋ソフトが示す手はその意味で最適なのか。あるいは、勝つ能力はすごいとしても、その能力の向上が答えを導き出すことに近づいてるのかどうか気になったり。勝つ能力が向上してるだけで、もちろんそれは凄いことではあるけど、答えに全然近づいてない、あるいは遠ざかってるいるということはないか。そうだとすると本末転倒だなぁと思ってしまったりも。本著の論とはずれるけど。

ということで、本著のおかげで色々なAI論について再確認出来たのはもちろんのこと、他にもAIに限らず他のことでも色々な立場、考え方等を出来るだけ偏らずに客観的に一旦は吸収、受け入れて考えることが大切だということを再認識出来てよかった今日この頃。

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