2019年6月21日金曜日

読書環境

今日読んだ本、クジラ博士のフィールド戦記 (光文社新書) (加藤 秀弘(著)、光文社)の感想。

タイトルにフィールド戦記とあるけど、直接は関係ないクジラの世界の一通りの解説と、時事的なこととして日本のIWCの脱退についての話があるのがよかった。もちろんフィールド戦記についても面白かったし。なので一石三鳥といった感じ。

クジラの世界について、著者は

やや硬いかもしれないが、ここではしばらく我慢していただき、
と書いてるけど、我慢する必要がなく興味深く読み進めることができた。そんなに長いわけではないし。もちろん基本的なことを知らなかったからというのもあるかもしれなけど。

知ってたこと、あるいは誤解してたことを大雑把にいえば、クジラは海に住む大きな哺乳類、背中から水を噴射する、姿形が違う種類がいるだろうけど、だいたい似たような性質、生活をしているということ。それが、同じクジラでも、まるで異なる生物でいきなり誤解してたことを知れてよかった。

もちろんその他にも、短いながら知らなかったことをいろいろと知れた。

次に、フィールド戦記についてはこの本の中心についてなので読んで満足。小説ではないのにとても面白く興味深い話が沢山あった。小説ではなく実話だから面白いのかも知れないけど。ただ、逆に実話かつ著者自身の話だからか、ちょっと退屈に感じる箇所もあるにはあったけど。自慢話的な。量としては本当にわずかの割合。

話としても面白かったのに加えて、著者の実話でもあるので、今後クジラではなくても、似たような生物関係の仕事、研究者になりたい人にとって、具体的なイメージを描ける一冊にもなるかも。もちろん時代も違うし、生き物がクジラでなければ全然違うかも知れないけど、それでもただ漠然とその生物が好きだからというだけなのと、一つのイメージをしっかりもっているのでは全然違うと思うし。

日本のIWCの脱退については、かなり著者の立場、考え方に偏った解説ではある印象だけど、それでも1つの意見として知っておけてよかった。内容的には、ニュース等よりは詳しく、ある程度調べた感じだけど、かなりの詳細まで調べた上での解説ではない感じ。その加減もちょうどよかった。あまりに詳細な解説だと読む意欲がなくなってしまうかも知れないから。

ということで、本著によりクジラについて、そして著者の戦記、さらにIWCに実際に関わったことがある科学者である著者の意見の三つの貴重なことを知れてよかった今日この頃。

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