今日読んだ本と感想。
凍りついた翼が墜落を呼ぶことはわかった。では、それで事故はなくなったか?
かつて、短中距離航空機の墜落事故が寒冷地で続出したことがあった。調査の結果、尾翼に氷が着き、失速したことがわかった。当時、主翼や、エンジンの空気取り入れ口の着氷のみが注目されていて、尾翼着氷はわからなかったのだ。その後、スウェーデンと旧ソ連の共同研究によって、この尾翼着氷のメカニズムは、ほぼ解明された。それにも関わらず、事故は繰り返すのである。たとえば1992年、ニューヨークで着氷による離陸失敗事故を起こしたUSエアのF28型機の場合、主翼、尾翼とも離陸中の防氷装置の使用を禁じられていたという。なぜだろうか……。
目次
- 1 自然の脅威──天候──
- 2 壊れる機体──構造──
- 3 失われた動力──エンジン──
- 4 過ちは人の常──人為ミス──
- 5 機械と人間──自動化──
- 6 社会と航空──経営──
飛行機が墜落した実例、またその原因の数がとても多く紹介されてた。
飛行機の設計、航空システム、安全性を冷静に、あるいは科学的に興味を持って冷静に考えることが出来るなら面白い1冊だと思う。
逆に冷静に分析できることが出来ない、影響受けやすい人には事故の実例が多く載っているので、今後飛行機に乗るのが怖くなってしまう1冊かも。(私はどちらかというとこちらに近いかも。)でもやっぱり、事故から学び、安全性を高めていくことは大切、重要なことだとも思う。
ということで、影響されやすい、怖がってしまうからといって本書のような内容の書籍を避けていくのではなく、少しずつでも耐性をつけながら(事故の恐怖になれてしまうのではなく事故をしっかり見つめ直すことによってより安全性を高めることを考えるという意味で)、冷静に読むことが出来るようになっていこうと思う今日この頃。
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