2011年3月1日火曜日

"解析入門〈1〉数/数列と級数/関数の極限と連続性/微分法/各種の初等関数 松坂 和夫 (著) "の第1章(数)の1.3(順序体)の問題1.3, 1, 2を解いてみる。



問題1.3

1.

命題2

(a)

ab-ac=0

分配律より

a(b-c)=0

aは0ではないので

b-c=0

b=c

(b)

1,1'を乗法単位元、aを体の任意の元とする。

1a=a=1'a

1a=1'a

1=1'

よって乗法単位元1はただ1つである。

(c)

b,cを0でない元aの乗法逆元とすると、

ab=1=ac

ab=ac

b=c

よって乗法逆元はaに対して一意的に定まる。

(d)

a^{-1}a=1

よって

(a^{-1})^{-1}=a

(e)

b(ab^{-1})=b(b^{-1}a)=(bb^{-1})a=a

よって

ab^{-1}

は方程式bx=aの回である。

x_{1},x_{2}

を方程式bx=aの解とすると、

bx_{1}=bx_{2}

(a)より

x_{1}=x_{2}

よって方程式bx=aの解は一意的に定まる。

ゆえに、bが0でなければ、方程式bx=aは一意的な解

x=ab^{-1}

をもつ。

(証明終)


2.

AはRの下に有界な空でない部分集合なので、定理2より下限(inf A)が存在する。

同様に-Aは上に有界な空でないRの部分集合となるので上限(sup(-A))が存在する。

Aの任意の元xに対して

inf A\leq x

となるので、-Aの任意の元

-x\leq -inf A

となる。また、-inf Aが-Aの上限でないと仮定すると、

-x<-x'<-inf A

となる-x'が存在することになるが、そうすると

inf A<x'<x

となり、inf A=x'となるので矛盾。よって-inf Aは-Aの上限となる。

sup(-A)=-inf A

ゆえに、

inf A=-sup(-A)

である。

(証明終)

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