2011年1月2日日曜日

"微分法の応用・積分法・積分法の応用・行列と行列式 (数学読本)"の第21章(もう一つの数学の基盤 - 行列と行列式)の21.1(行列とその演算), 逆行列の問18, 19, 20を解いてみる。



問18

2×2行列を

C=

x u
y v

とおくと、

CA=

ax+cu bx+du
ay+cv by+dv

問題の仮定よりCA=Eなので、次の連立方程式が成り立つ。

ax+cu=1

bx+du=0

ay+cv=0

by+dv=1

これを解く。

adx+cdu=d

bcx+cdu=0

(ad-bc)x=d

同様に計算すると

(ad-bc)y=-c

(ad-bc)u=-b

(ad-bc)v=a

よって

ad-bc\ne0

ならば、

x=d/(ad-bc)

u=-b/(ad-bc)

y=-c/(ad-bc)

v=a/(ad-bc)

またad-bc=0と仮定すると、a=b=c=d=0となり、問題の仮定に反する。よって

C=

1/(ad-bc)×

d -b
-c a

=B

となる。


問19

(1)

\Delta=6-5=1\ne0

よって逆行列をもち、その逆行列は

2 1
5 3


(2)

\Delta=-4\ne0

よって逆行列をもち、その逆行列は

-3/4 1/4
1 0

(3)

\Delta=-1\ne0

よって逆行列をもち、その逆行列は

0 -1
-1 0

(4)

\Delta=-18+18=0

よって逆行列をもたない。


問20

行列A, Bをそれぞれ

a b
c d

e f
g h

とおく。行列A、Bは仮定より逆行列をもつので

ad-bc\ne0,\ eh-fg\ne0

A^{-1}=

d -b
-c a

B^{-1}=

h -f
-g e

B^{-1}A^{-1}=

dh+cf -bh-af
-dg-ce bg+ae

行列ABは

ae+bg af+bh
ce+dg cf+dh

\Delta=(ae+bg)(cf+dh)-(af+bh)(ce+dg)

=(ad-bc)(eh-fg)

\ne0

よって行列ABは逆行列をもち、その逆行列は

cf+dh -af-bh
-ce-dg ae+bg

ゆえに、

(AB)^{-1}=B^{-1}A^{-1}

である。

(証明終)

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