2010年12月23日木曜日

"微分法の応用・積分法・積分法の応用・行列と行列式 (数学読本)"の第20章(面積, 体積, 長さ-積分法の応用)の20.4(簡単な微分方程式), 二三の応用問題の問42, 43, 44を解いてみる。



問42

求める曲線の方程式をy=f(x)とすれば、この曲線の点P(x, y)における接線の傾きはdy/dxとなる。また、(X, Y)を接線上の点の座標とすれば、接線の方程式は

Y-y=dy/dx (X-x)

となる。また問題の仮定より、X=0のとき、Y=2yとなるので

2y-y=dy/dx (0-x)

y=-xdy/dx

これを解けばよい。よって求める曲線は

xy=C

(Cは任意の定数)


問43

平面上の任意の点P(x, y)を与える。

x\ne0,\ y\ne0

のとき、Pを通る双曲線xy=kはただ1つ存在する。そして、その双曲線乗の点P(x, y)における接線の傾きは

-\frac{k}{x^{2}}

となる。これをx, yだけで表せば、

-\frac{k}{x^{2}}=-\frac{xy}{x^{2}}=-\frac{y}{x}

となる。よって問題の双曲線xy=kのすべてに直交する曲線を求めるには、任意の点

P(x, y)\ (x\ne0,\ y\ne0)

において、傾きy/xの直線と直交する接線を持つような曲線を求めればよい。すなわち求める曲線の方程式をy=f(x)とすれば、

dy/dx (-y/x)=-1

が成り立つ。この微分方程式を解く。

ydy=xdx

x^{2}-y^{2}=C

(Cは0でない任意の定数)

C=0の場合

(x+y)(x-y)=0

よって求める曲線は上記の双曲線および直線。


問44

平面上の任意の点P(x, y)を与えるとき、

x\ne0,\ y\ne0

ならば、Pを通る曲線

y=kx^{3}

はただ1つ存在し、その係数は

k=\frac{y}{x^{3}}

となる。そしてこの曲線の点P(x, y)における接線の傾きは

3kx^{2}

なので、これをx, yだけで表すと、

3kx^{2}=3\cdot\frac{y}{x^{3}}\cdot x^{2}=\frac{3y}{x}

となる。よって全ての曲線と直交するような曲線を求めるには、任意の点

P(x,\ y)\ (x\ne0,\ y\ne0)

において、傾き3y/xの直線と直交する接線を持つような曲線を求めればよい。求める曲線の方程式をy=f(x)とすれば、

dy/dx 3y/x = -1

この微分方程式を解けばよい。

3ydy=-xdx

\int 3ydy=-\int xdx

\frac{3y^{2}}{2}=-\frac{x^{2}}{2}+C

\frac{3y^{2}}{2}+\frac{x^{2}}{2}=C (C>0)

\frac{x^{2}}{3a^{2}}+\frac{y^{2}}{a^{2}}=1

また、x=0のときはx=0。

よって求める曲線は上記の楕円および直線。

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