2010年8月16日月曜日

"数学読本 (4) 数列の極限、無限級数 順列・組合せ 確率 関数の極限と微分法"の第14章(無限の世界への一歩-数列の極限、無限級数)の14.2(極限の計算)、無限等比数列{r^{n}}の極限の問18を解いてみる。


問18

(1)

x=\frac{1}{3}x+1

x=\frac{3}{2}

より、与えられた漸化式を変形すると、

a_{n+1}-\frac{3}{2}=\frac{1}{3}(a_{n}-\frac{3}{2})

よって、

b_{n}=a_{n}-\frac{3}{2}

とおけば、これを一般項とする数列は公比1/3, 初項

b_{1}=a_{1}-\frac{3}{2}=1-\frac{3}{2}=-\frac{1}{2}

の等比数列となるので、

b_{n}=-\frac{1}{2}(\frac{1}{3})^{n-1}

この数列の極限は

\lim_{n\rightarrow\infty}{b_{n}}=\lim_{n\rightarrow\infty}{-\frac{1}{2}(\frac{1}{3})^{n-1}}=0

また、

a_{n}=b_{n}+\frac{3}{2}

より求める数列の極限は

\lim_{n\rightarrow\infty}{a_{n}}=\frac{3}{2}

(2)

x=9-\frac{x}{2}

x=6

より、与えられた漸化式を変形すると、

a_{n+1}-6=-\frac{1}{2}(a_{n}-6)

よって、

b_{n}=a_{n}-6

とおけばこれを一般項とする数列は公比-1/2、初項

b_{1}=a_{1}-6=3-6=-3

の等比数列となるので、

b_{n}=-3(-\frac{1}{2})^{n-1}

この数列の極限は

\lim_{n\rightarrow\infty}{b_{n}}=0

また、

a_{n}=b_{n}+6

より、求める数列の極限は

\lim_{n\rightarrow\infty}{a_{n}}=6

(3)

x=\frac{3}{5}x-2

x=-5

より、与えられた漸化式を変形すると

a_{n+1}+5=\frac{3}{5}(a_{n}+5)

よって、

b_{n}=a_{n}+5

とおけば、これを一般項とする数列は公比3/5, 初項

b_{1}=a_{1}+5=7

の等比数列となるので

b_{n}=7(\frac{3}{5})^{n-1}

この数列の極限は

\lim_{n\rightarrow\infty}{b_{n}}=0

また、

a_{n}=b_{n}-5

より、求める数列の極限は

\lim_{n\rightarrow\infty}{a_{n}}=-5

(4)

x=2x+1

x=-1

より与えられた漸化式を変形すると

a_{n+1}+1=2(a_{n}+1)

よって、

b_{n}=a_{n}+1

とおくと、これを一般項とする数列は公比2, 初項2の公比数列となるので、

b_{n}=2\cdot(2)^{n-1}=2^{n}

よってこの数列は+∞に発散する。

また、

a_{n}=b_{n}-1

より、求める数列の極限について、+∞に発散する。

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